自己啓発・成功哲学
巨富を築く思考法 THINK AND GROW RICH
アチーブメント出版
この一冊で何が変わるか
「いつかやる」が「期限を決めて、今日書き出す」に変わる。漠然とした願望が、紙の上の具体的な計画と日々の習慣に落ちてくる。
お金や名声、報償、幸福は、それを得る覚悟と決意のある人なら、誰でも手に入れられるのだ。
分厚い。480ページ、上製。だが、これは"効く"古典の、いちばん新しい入口だ。
ナポレオン・ヒルが1937年に著した『Think and Grow Rich』。鉄鋼王カーネギーに頼まれ、エジソン、フォードら500人を超える成功者を20年以上かけて調べ上げた、自己啓発という分野そのものの原点である。世界で1億部。これまで日本では『思考は現実化する』として読まれてきたが、独特の造語や宣伝に戸惑う声も少なくなかった。本書はその原典を、より原文に忠実に訳し直した2025年の新訳だ。
語られるのは精神論ではなく、手順である。願望を紙に書く。期限を決める。毎日声に出す。報酬以上の仕事をする。マスターマインド——信頼できる仲間と知恵を持ち寄る。一見おまじないのようでいて、読み進めるほど、これは"続けられる人"の設計図なのだとわかってくる。
訳は児島修。本欄で紹介した『DIE WITH ZERO』を日本語にした、あの人だ。お金の使い方を説いた本と、お金の生み出し方を説いた本が、同じ訳者の手を経て並ぶ——というのも、どこか示唆的に思える。
一度読んで終わる本ではない。折にふれ開き、自分に染み込ませていく本だ。週に一冊。今週は、腰を据えて向き合う一冊を。